『医療判断』について

 Vol.5

 『医療判断』について

 

名医が選ぶ名医コラム

コミコミクリニック 

みんなの家庭の医学

 


『医療判断医』というものを皆さんはご存じでしょうか。

耳慣れない言葉かもしれませんが、簡単に言えば医療を受ける際に生じる患者さんやそのご家族の選択や判断をお手伝いする専門の医師のことです。“皇室の侍医”のようなもとの言えばわかりやすいでしょうか。今、この『医療判断医』がとても必要になってきていると私は感じています。

現在の医療技術は一昔前と比べると格段に進歩していますが、その弊害もあります。音楽で例えるなら、一昔前までは内科医が患者さんの『総合指揮者』がいない状態です。

また昨今、『インフォームドチョイス』が増えています。『選択肢の説明はしましたから、あとはあなたが決めて下さい』という『患者さんに選択権のある医療』です。一見すると選択の幅が広がり、患者さんやご家族が後悔することなく主体的に医療を受けることができるため、良いことずくめのような気がしますが、一方で医療の素人である患者さんやそのご家族は、インターネットやテレビ、親戚や友人を介して情報を集め、時に迷いがいっそう深まることもあります。

高度化したが、その一方で複雑化していく日本の医療。それは、患者さんの医療満足度や安心度が低下していく一因ではないでしょうか。最終的な決断を『医師』として支援する。私は医療技術の発展はもちろんですが、それと同じくらい患者さん自身の運命に『医師』が関与するのも大切なことだと考えています。

そこで、20年前に民間版の侍医システム『主侍医倶楽部』を立ち上げました。理想的な医療の形をこれからも模索し、より多くの方々にお役に立てるようなシステムを実践していくこと、また、国レベルの取り組みとして広がっていくことを心から願っています。

 

    

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