男性更年期障害

NKH「健康ライフ講座」

NKH「健康ライフ講座」NO.92 日本機械保線株式会社社内報

カルテ43<内科、泌尿器科、男性診療科など>男性更年期障害

2012/1/5


【概説】

女性の更年期障害は、疾病概念としてほぼ確立されて、診断基準や治療法も研究が進んでいます。病院でも婦人科を中心に一般的に診療がされています。一方、男性更年期障害が注目されるようになってきたのは最近であり、現時点では必ずしも医学界においてコンセンサスが得られた疾患というわけではありません。

しかし、男性も年齢とともに男性ホルモンが減少し、そのため性機能や認知力の低下がみられたり、筋肉の量も質も低下する事が分かってきました。医師の間でも研究チームがこの病態の研究調査をするようになり、今後こういった研究成果も踏まえて、男性更年期障害という概念が広がる可能性があるでしょう。専門家の間ではLOH(ロー)症候群(late-onset hypogonadism(レイト オンセット ハイポゴナディズム):加齢男性性腺機能低下症候群)と呼ばれる事もあります。

【症状】

極めて多彩です。疲労感、倦怠感、不眠、イライラな症状を中心に、不定愁訴(ふていしゅうそ)が絡みあいます。自然な老化によるものか、病気の範疇(はんちゅう)かは今後の研究により選別されていくと思われます。

【診断】

問診テストを含めた詳細な問診が初診時に大切で、男性ホルモンであるテストステロンの血液中濃度を調べる事で診断されます。<

【治療】

男性ホルモンの補充療法が現在、効果・副作用を調べながら検討されています。その他、症状に応じた薬物治療が併用されます。

【その他】

本疾患は、新しい概念でまだまだ研究段階であるという事を理解しておきましょう。日頃からストレスをためずに、心身ともに健全さを保つような生活が予防法といえるでしょう。他の病気でもそうですが、特にホルモンが関与する病気では、過剰なメンタルヘルスが引き金となる事が多いものです。

    

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