偏食

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 NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報

 カルテ62 <偏食外来、総合診療科、心療内科など>

 2015/10

 


(総論)

今回は「偏食」というテーマを頂きました。いつもの医学的病名ではありませんので記載方法が異なりますが、健康管理においてよく使われる言葉ですので、解説にチャレンジします。多くの辞書を調べてみましたが、平均した意味合いは「好き嫌いにより特定の食品を食べなかったり、または特定の食品ばかりを多量に食べるなどの偏った食生活様式」となります。子供の頃のしつけや生活環境や時にトラウマなどにより形成される場合が多いのですが、最近では大人になってから形成される偏食も問題になっています。偏食は、文字通り偏った栄養摂取につながり、様々な病気の原因や引き金にもなりえます。テレビなどのマスコミで、ダイエットや健康増進や病気治癒のための極端な食事法が紹介されると、街のスーパーではその食材が売り切れることもあります。幸い長続きしないので、偏食に進むことは少ないのですが、中にはそのことを信奉するあまり偏食状態となります。社会的要因による偏食と言えるでしょう。「炭水化物を取らないダイエット」など、専門家の間でも意見が対立する食に対する考え方があり、結論が出るのにまだしばらくの年月がかかりそうです。

(対処)

総論でも述べましたが、「病気の原因となるようなほどの偏った食生活」であるのか「好き嫌いが多少あるが、栄養バランスは取れている食生活」であるのかの見極めが大切です。前者の場合は、もちろん補正していくべきでしょう。原因に精神疾患が関与している場合は、精神科医の指導が必要になるでしょうが、成長期に形成された偏食では、家庭での調理などにもまめな工夫が必要でしょう。専門家に相談できる場所や機会が用意されていないのが現状ですが、管理栄養士などが常駐する病院に相談するのも一法です。

「好き嫌いにより偏る」

のも、人間らしい行動なのでしょうが、「バランスをとる」というのも人間らしい行動となることを認識してはいかがでしょうか。

    

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