(Click:一覧表示)
- スマホネック
- 右心不全
- 口内炎
- ヒアリについての豆知識
- 人畜共通感染症
- リレーエッセイ(Medical Tribune)
- 下肢静脈瘤
- 鼻血(鼻出血)
- 偏食
- 秋バテ
- 紫外線アレルギー
- 男性の冷え性
- 医療正義と医療満足度の向上のために―社会医という選択肢
- 多汗症
- 坐骨神経痛
- だから大切!女性のからだ相談室 病院・医師選び
- ヒートショック
- 負担増でもこだわり重視 自由診療じわり
- 腸閉塞
- てんかん
- 大動脈解離
- 脂漏性皮膚炎
- COPD(慢性閉塞性肺疾患)
- 風疹
- ギランバレー症候群
- ラジオ式音声コンテンツメニュー追加いたしました。
- VERY白熱教室第7弾「3歳児神話のリアル非リアル」
- 潰瘍性大腸炎
- アナフィラキシー
- 急性肝炎
- Interview「患者と医師結ぶ民間版侍医サービス」
- 尿路結石
- 男性更年期障害
- 糖尿病
- 熱中症
- テニス肘(使い過ぎ症候群)
- 『医療判断』について
- 不眠症
- 加齢黄班変性症
- 肺結核
- りす倶楽部 「共感と同情」
- アタッチメント ベビーマッサージ
- くも膜下出血
- 1分肩回しで病気をみるみる治す!
- セカンドオピニオンはどうとる?
- Dr.寺下コラム インフルエンザを向かえ撃つ
- パニック障害
- 新型インフルエンザ
- 心室細動
- インフルエンザ
- 特定健診
- 1日12秒お腹ぺったんこダイエット
- 「肩まわし」に関するコラム【壮快】
- ドライアイ
- 人 ひと
- Dr.寺下コラム 有害物質と健康
- 私を救う医者はどこ?
- かかりつけ医 対話が生む信頼
- 白血病
- ひと チャレンジングな医療者たち
- 記者の目
- 貧血
- アクティビティ手工芸士
- 認知行動療法としての脳ダイエット
- 胃潰瘍・十二指腸潰瘍
- 家族の一人ひとりが尊重される快適な空間作り
- 高血圧
- ストレスを感じさせない、家づくり
- 医療判断学の現場から
- 症状別問題解決ナビゲーションチャート
- 第5回 医療にさらなる興味を
- 第4回 「主侍医」という制度
- 第3回 信頼できる医師を探す
- 第2回 「標準治療」と違ったら
- 第1回 標準治療とは
- 「仮面高血圧」は高リスク
- 安心と幸福の医学
- うつ病
- 性善説ルネサンス(最終稿) 筆を折る
- 性善説ルネサンス⑦ 扇動と洗脳
- セルフコントロールで生活習慣病に打ち克つ!!
- 痛風(高尿酸血症)
- 「標準治療」最新版(第3版)
- 性善説ルネサンス⑥ 良心は幸福になるための必需品 自己のためにも利他主義であれ
- 性善説ルネサンス⑤ 職業人としての「良心」「使命感」が必須となる
- 胃食道逆流症(逆流性食道炎)
- 性善説ルネサンス④ 性悪説の感染力は強い 個人の力で打破できるか
- 性善説ルネサンス③ 正直者は馬鹿を見る 良心ある人を評価せよ
- 性善説ルネサンス② 果たして人間の良心は脳科学で解明されるか
- 性善説ルネサンス① 世の中に流れる性悪説 性善説は復活するのか?
- 前立腺肥大症
- 魂を売らないということ⑪ お金には印がついている
- 魂を売らないということ⑩ 何と比較するのか
- あきらめない! 手を抜かない! やりすぎない!
- 代謝症候群(メタボリック症候群)
- 魂を売らないということ⑨ 「うずしお」に思う
- imidas2006
- スーパーファーストオピニオン
- 魂を売らないということ⑧ 夢をみるには力が必要
(クリックで目次が開きます)


魂を売らないということ⑪ お金には印がついている
2005.5~2006.3 魂を売らないということ⑪ |
ばんぶう 2006.3 日本医療企画 |
《日々着実に地味な仕事を実行し 稼いだお金に魂の透かしを入れる》
3つの戒めを守る医師がスーパードクターの条件
このテーマでの最終回になった。執筆している今は、ライブドアショックから一週間経ったところである。
一カ月ほど前、「患者さんとの関係」をテーマにした、若い医師向けに医師の心構えについての話をするセミナーの依頼があった。大体、この手の話は「自分のことは棚に上げて」するのが相場である。そのセミナー用に作成したスライドの一部をご披露する。
タイトルは「誇り高きカッコイイ医師になろう」。近頃、特に日本では「カッコイイ」偉い人が少なくなった。お洒落で格好いい人は多くなったけれど。服や化粧品や宝石では「カッコイイ」人はつくれない。
スライドの最後のほうで、「なぜ、今年の箱根駅伝で順天堂大学の難波選手がカッコよかったのでしょうか」「そうです。決してあきらめなかったからです」「なぜ、姉歯建築士たちはカッコわるかったのでしょう」「そうです。プロなのに手を抜いたからです」「なぜ、六本木ヒルズ族と呼ばれる大富豪たちは、そんなにカッコよくないのでしょ
うか」「そうです。やりすぎだからです」というやりとりをつくつた。まだライブドア事件の前だったから、こういったシヤレも通用した。こんな大事件になってしまったので、このスライドは若干変更しなければならなくなった。
個人的にも迷惑な話である。
私は、常に医師として「手を抜かない」「あきらめない」「やりすぎない」を自戒している。こんな当たり前のこ
とを守り抜くことは相当難しいのが現実である。しかし、自分の身体を任せたい医師は、この三つをきちんと
守ってくれそうな人である。こんな地味なことを毎日着実に行っている多くの医師こそ、スーパードクターなのである。
彼らのお陰で、日本の医療は世界的にみてもその偏差値は抜群に高い。彼らがコツコツと稼ぎ出す診察料と、
錬金術のような六本木ヒルズ族のお金と、有名スポーツ選手の高額契約料などを比較してみると、「お金に印
がついている」と言わざるを得ない。印がついていると考えると、「まあいろいろあるからね」と妥協的理解がで
きる。自分は「魂」の透かし入りのお金を稼いでいるのだと家族やスタッフに言い訳している。
医師としてはともかく、プライベートでは前の二つを守りすぎるあまり、若干「やりすぎ」気味であることは深
く反省しているところである。