胃潰瘍・十二指腸潰瘍

 

カルテ27

内科、消化器科

胃潰瘍・十二指腸潰瘍

NKH「健康ライフ講座」№75

 2007/8/1

日本機械保線株式会社 社内報


口から肛門までの聞を消化管と呼んでいますが、口、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門という順序でつながっています。それぞれは食べ物を消化し吸収するために役割を分担しています。胃の中では、食べ物を消毒し消化するために胃液が分泌されます。胃液の中には胃酸とペプシンが含まれ、タンパク質を分解します。そのため、胃の壁自体が破壊されないように、自己を守るための仕組みが備わっています。前者を攻撃因子、後者を防御因子と呼んでいますが、さまざまなストレスによりこのバランスが崩れ、攻撃因子が優位に立つと胃の粘膜が溶けて欠損を生じます。この状態を「潰瘍」と呼びます。胃でも十二指腸でも同様の機序で起こります。最近の研究では、こういった攻撃因子と防御因子のバランスを崩す主な原因は、ヘリコパクターピロりという細菌であるということが分かりました。


症状

主に空腹時にみぞおちの辺りが痛みます。また、胃酸が出過ぎることにより胸やけや酸っぱいゲツプがでます。進行すると、 吐血といって血を吐くこともあります。その他、吐き気、嘔吐、食欲不振といった症状もあります。

治療

多くは、臨床症状で見当がつきますが、確定診断には内視鏡が必要です。特に、ガンとの鑑別診断のためには内視鏡による生検 (細胞を採取して顕微鏡でみる) が必要となります。

その他

この病気は体質やピロリ菌感染が主な原因ですが、過剰なストレスや喫煙、暴飲暴食などの生活の乱れが引き金となります。再発を繰り返す人は、生活習慣の改善とピロリ菌の除菌を推奨します。ピロリ菌とガン発症の関連性も論議されています。現在では、この治療法は保険で行うことが可能になりました。

    

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