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五月病
カルテ18 精神科・心療内科 五月病 |
NKH「健康ライフ講座」№66 2005.5 日本機械保線株式会社 社内報 |
新入生が新しい環境の変化に馴染めずに、知らず知らずのうちに自分の殻の中に閉じこもり心のスランプになってしまう状態は5月病としてよく知られています。近年、学生の五月病は減り、代わって、職場環境の激変する現代を反映するように社会人に同様の症状が多く認められるようになりました。
原因
五月病は医学用語ではないため、決まった概念や定義があるわけではありません。
医学的には「適応障害」と診断され、新入生や新入社員に限らず、また五月に限った病気でもありません。例えば初めての1人暮らしや、新しい人間関係についていけない、期待していた仕事や新生活と現実のギャップについていけないなど、新たな環境に適応できずに、そのことへのあせりが強いストレスとなって生じると考えられます。
新しい生活に夢中に取り組む間はよいのですが、それがひと段落する5月・6月頃lこ、緊張感からの解放や新生活への失望などがきっかけとなり、知らず知らずに蓄積された心身の疲れが出て無気力な状態を認め、重症の場合にはうつ病へと進展することがあります。
本人の性格も大きな因子で、同様のストレスに対して負担になってしまう人と、うまく乗り越えられる人とがいます。
症状
精神的には、やる気が出ない、なんとなく気持ちが落ち込む、イライラする、不安感などが認められ、身体的には睡眠障害、疲労感、頭痛、めまい、動悸などが挙げられます。疲れているのに眠れず、意欲や食欲が減退し、人間関係もうまくいかずに自己嫌悪に陥り、何とかしなければと焦る程に悪循環にはまり、放置して重症化すると最後には死んでしまいたいなどと考えてしまうこともあります。
診断
自覚症状からほとんどの場合は診断が可能です。中には消化器症状(食欲不振、下痢、腹痛など)や感染症(長引く風邪症状など)といった身体症状が前面に出てストレスが原因であることの判断が遅れてしまうこともあります。
治療と対策
もともと真面目で几帳面、完璧主義な人がかかりやすいと言われています。ストレスの管理はもちろんですが、ライフスタイルや価値観、夢などについてゆっくり見つめ直し、新たな目標や関心を見つけることが気持ちの切り替えになります。それでも症状が改善しない場合は、早めに医師に相談しましょう。躊躇することの多かった精神科の受診(メンタルケア)も、現代では知的な社会人の常識となっています。
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- 目次
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