熱射病

カルテ2

内科 ・救急診療部

熱射病

NKH「健康ライフ講座」

2001.7

日本機械保線株式会社 社内報


暑いい夏を迎えました。こんな厚い時でも皆さんは、炎天下や熱帯夜に働くことがあると思います。そこで気をつけたいのが「日射病」です。
俗に「日射病」と呼ばれるものは、比較的軽度な「熱疲労」と、ときには致命的な「熱射病」「熱けいれん」などに分類されます。
今回は、主に「熱射病」について説明しますので、勉強して予防しましょう。

原因

高温の外気に長時間さらされると、効率的に汗をかいて放熱する機能が追いつかず、体温調節機構が破綻します。その結果、40度を超える体温の上昇となる状態をいいます。非常に致命的な病態といえます。

症状

自覚できる初期症状に頭痛、めまい、倦怠感などがあります。汗の量はむしろ減少し、脈拍は増加します。血圧は低下し、筋肉のけいれんを起こしやすく、意識障害が生じます。体温は急速に40度から41度くらいに上昇します。
状況からほとんどの場合、診断は容易です。

治療と対策

すみやかな診断と治療が生命予後(生きるか死ぬか)を大きく左右します。身体の冷却と輸液による電解質の管理が重要です。水やアルコールで濡らした布で体をくるんだり、扇風機や氷により冷却します。数分ごとに体温を測り、体温が急激に38度以下に降下しないよう注意します。けいれんに対しては、安定剤の注射などを行います。治療が遅れ、長時間、脳障害や腎障害が続くと、永続的な障害が残ることになります。

対策としては、高温多湿のところでの激しい運動を避けることにつきます。そういった状況では帽子や日傘、スポーツドリンクなど継続的摂取等の対策を十分行い、疲労、脱力、びっしょりの汗といった「熱疲労」の段階で十分な休息と塩分、水分摂取を心掛け、急に汗の量が減ったり、体温上昇、意識の低下が見られたら、すぐに病院に連絡を取れるようにすることが大切です。

    

Copyright ©2013-2020 Terashita Medical Office Allrights All rights reserved.