人 ひと

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 週刊 日本医事新報

№4374 2008年2月23日

株式会社医事新報社

「健康な時から相談できる医師は絶対に必要な存在」

に患者の側にいる。“侍医”として、患者の総合的な医療判断を支援し、必要に応じて約1000人の登録医師と連携する「主侍医倶楽部」を1990年から運営している。
 同窓生が皇室の侍医の1人になり、自身も推薦された経緯などから、「健康な時から複数の医師が側にいてくれたら誰でも心強い。侍医こそ理想的なかかりつけ医だ」と思い立ち、最初はボランティアに近い形で「民間版侍医」のサービスをスタートさせた。
 東大勤務医時代から「理想の医療とは何か。よりよい医療を実現するにはどうすればよいか」を仲間たちと夜な夜な討論し、「トータルなシステムづくりと模範となるような病院づくり」を実現しようと、84年に、現事務所の前身である㈱トータル・メディカル・システムズを設立。当初はICカードを利用した電子力ルテなど先端的なシステムの開発に傾注した。
 その後、「ハイテクではなくローテクな」侍医という仕組みに惹かれ、主侍医倶楽部を立ち上げてからは、色々なツテを頼り、協力してくれる医師を自らの足で探しだしていった。1000人の登録医のうち300人位の顔はすぐに浮かび、連絡が取れるどいう。
 個人会員の人会金100万円、年間顧問料126万円という料金設定などから、これまでには会員制高級クラブ、儲け主義と勘違いされることも少なからずあった。しかし、一つ一つの相談内容は重いものが多く、・日々誠実に対応し、プロどして医療の質を落とさないようにするには現状の会員数の50人が限度だという。
「健康な時から相談できる医師は絶対に必要な存在だという信念は変わりません。ただ、経営としては中途半端な面もあり、サービスモデルの段階。ビジネスとして成立させることができた時、こうした分野に興味を持つ医師たちの『模範』になれると思うし、最終的には保険診療としてすべての人に提供できるようなものにしていけたらと思います」いまも試行錯誤が続くと苦笑いする寺下さんだが、厚生労働省が後期高齢者医療制度で当初打ち出した「総合医」という言葉を聞いた時は開いた口がふさがらなかったという。主侍医倶楽部をスタートする頃、「総合内科」を標傍するクリニックを併設しようと思い、保健所や社会保険事務所に相談に
行くと、「総合なんてつけたら勘違いされる。それは詐欺です」とまで言われたからだ。「僕がこういう活動を続けているうちに世の中が変わってきたということでしょうかね」
 コンピュータ以外にもテニス、ゴルフ、オペラ鑑賞など趣味は多い。東大医学部同窓会,鉄門倶楽部理事や鉄門ゴルフ交流会常任幹事なども務める世話好きである。。

 

    

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