私たちの味方になる、医療情報の入手法は?

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私たちの味方になる

医療情報の入手法は?

クロワッサン

2005.4.25

マガジンハウス 発行


どんなに良い治療法、病院があっても知らなければ意味がありません。本やネットから知っておくと良い情報と、その選び方を紹介します。

病院選びは巷の評判や看護師の話を聞くこと。情報開示も判断の材料。

病院へいくなら大病院や大学病院と思っている人は相変わらず多いが、そういった病院が必ずしも良いとはいえないようだ。医療事故などもとくに少ないというわけではなく、予約制にもかかわらず1時間も2時間も待たされた挙げ句、診察5分ということも珍しくない。
 いい病院を選ぶには、やはり巷の評判に耳を傾けることだろう。病院の外で看護師に話を開くことをすすめる医師もいる。また、情報開示やカルテ開示も判断の基準。手術の件数などの情報がわかりやすく掲示されていれば、まず安心だ。
 本などは信頼できる出版社や編集部のものか、社会的に評価されている執筆者のものを選びたい。

 「いま、医師や病院、治療法、患者会などの医療情報は簡単に手に入ります。専門病院や名医を紹介する本はたくさん出ているし、インターネットで調べるといくらでもあたる。 しかし、それらの情報がすべて良いとは限らないのが問題です」
 寺下謙三さんは患者のためになる医療のシステム作りに、真筆に取り組んでいる医師。医療情報のあるべき姿にも独自の見解を持っている。
「正解はひとつとは限りません。しかも医療情報というのは、明確な差があるものはきわめて少なく、ほとんどが微妙な差。それを判断して取捨選択するのは非常に難しい」

すべての病院や医師を調べてベストのものを選ぶことは不可能。

「どんな医者にあたるかも寿命のうちといいますが、ある程度、身近な医者の中から運命的な出会いをするしかない。ただ、その運命を主体性のあるものに変えることはできます」
 まず、情報のソースが信頼できるものかどうかを見極めることが必要。
「インターネットの場合、一般的に情報源が○○委員会とか××編集部といったグループより、個人名のほうが信頼できるでしょう。より責任を持った情報と考えられるからです」
 医療情報に関しては、ロコミや人づての情報が案外、正鵠せいこくを射ていることが少なくないという。
「入り口は本やインターネットでいいけれど、手がかりをつかんだらそれを人に聞く。人づてにたどっていけば、誰か知っている人がいるはずです。ロコミ、人づて、人脈が質の高い医療に出合うためには大事です」

医療の質を見わけるには
アカデミック…探究心に富んで論理的であること
プラクティカル…実際的であること
コンフォタブル…人にやさしいこと
の3つの要素が基本だと寺下さんはいう。
「そして、すべての情報を参考にしてください。ひとつで決定というものはありませんから」

意思の疎通がはかれる医師。相性も大事。

近所のかかりつけの医者と専門医では多少異なるが、患者の話をよく聞いて気持ちを理解する姿勢と、高い医療技術は必要条件。また、相性のいい医師を選ぶことも大事。
インフォームド・コンセントはもちろん、情報開示が充分なことも必要。セカンド・オピニオンを快くとらせてくれる医師がいい。

    

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