多汗症

 150727_NKH106_№57_takanshou.jpgNKH健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報  №106

 カルテ57  皮膚科、心療内科

 2015/7/27

 

 


 

〇概要〇

精神的負荷や温熱、辛い味などの負荷がかかった時などに、生活に支障をきたす程度の大量の発汗が手足や腋の下、顔などに生じる状態を原発性局所多汗症と呼んでいます。感染症や内分泌や神経の病気で起こる続発性多汗症と区別されます。一般に汗が多くて困っているという方は前者の状態と言えます。原因ははっきりしませんが、自立神経の過敏な反応と考えられます。

〇症状〇

軽症の場合は、単に「汗かき」という程度ですが、症状が強い場合は、生活に支障が出る程度の大量の発汗が生じます。その結果ワキガやあせもが生じてしまうこともあります。

〇診断〇

病状では診断は容易につきますが、基礎疾患が存在する続発性多汗症ではないかどうかの鑑別が必要です。疑われる病気があれば、血液検査やCTやMRIなどの画像検査が必要なことがあります。

〇治療〇

「原発性局所多汗症診療ガイドライン」という標準的な治療の指針があります。第1選択として、20%塩化アルミニウム水溶液を塗布することが推奨されています。また手足に対しては患部を水道水に浸した状態で微弱電流を流し、水素イオンで細胞へ働きかける「イオントフォレーシス」という治療もされています。第2選択肢としボトックス( A型ボツリヌス毒素製剤 )の局所麻酔も保険適用となりました。最終的手段としては交感神経遮断術も試されることがあります。

〇生活上の注意〇

常にタオルを携帯し、まめに汗をふくことになります。また精神的負担をなるべく軽減するように生活設計を行い、各種リラックス法なども取り入れるとよいでしょう。

    

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