痛風(高尿酸血症)

 

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内科生活習慣病科

痛風(高尿酸血症)

NKH「健康ライフ講座」№72

2006/10/15

日本機械保線株式会社 社内報


体内に過剰の尿酸が蓄積する病気のことを高尿酸血症と呼びます。高尿酸血症の患者さんの1割くらいが、関節の中に尿酸の結晶が生じて、強い痛みを伴った発作を引き起こしますが、この発作を痛風と呼んでいます。まさに風が吹いても痛みを感じるという意味です。
○原 因○

 尿酸が高くなるメカニズムとしては、大きく分けて排泄が悪くなることと生産が過剰になることがあります。 いずれも遺伝的素因が関与していますが、環境因子として尿酸の原料となるプリン体という物質を多く含む食品やアルコールの取り過ぎがあり、生活習慣病の代表のひとつでもあります。

○症 状○

 高尿酸血症そのものには、特に自覚症状はありません。痛風発作は、多くの場合足の親指の根元の関節に発症しますが、突然の激痛と患部の発赤、発熱が生じます。ひどい場合は歩けなくなるほどです。 足首や手首など他の関節に生じることもあります。また、高尿酸血症があると尿中の尿酸が結晶しやすくなり、腎臓や尿管などに石ができることがあります。その石がつまるとお腹や背中に激痛発作が起こることがあります。

○診 断○

 高尿酸血症jは血液検査が診断のすべてと言えます。一般的には7.0㎎/㎗以上ほ本症と診断します。痛風の診断は、症状からほぼ判断できますが、確定診断には関節液を採取し尿酸の結晶を調べることになります。腎臓結石などは、超音波検査にて診断されます。

○治 療○

 後述する食事療法が何よりも優先されますが、薬剤としては、尿酸の生成を抑制するものと排泄を促すものがり、どちらも効果的です。痛風発作に対しては、痛みと炎症を抑える治療を行います。

○生活上の注意○

 食べすぎ飲みすぎに注意することに尽きます。特にプリン体を多く含む食品を制限することです。プリン体を多い食品としては、レバー、うに、白子など内蔵系の食品とビールなどです。鶏卵はそれほど多くはありません。ビール以外のアルコールでも飲みすぎると脂肪肝になり尿酸を上げる原因となりますので注意が肝要です。

    

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