秋バテ

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NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報

カルテ58 <内科>

2015/8

 


(総論)

夏バテに呼応して秋口に体調を乱すことを「秋バテ」といつしか呼ばれるようにになりました。いずれも正式な医学病名ではありませんが、よくみられる病状を表している言葉でもあります。夏バテは暑さによる体温調節の乱れや交感神経の乱れから特に胃腸障害や熱中症という形で現れます。秋バテは、秋口の気候の変化に順応できずにさまざまな体調不良を感じる状態を指します。

(原因)

さまざまな理由が考えられますが、夏バテにより体力が弱っていることとと、急激な気温の変化や気圧の変化(主に低下)により自律神経がスムーズに対応できずに不調をきたすことが原因と考えられています。また学生は夏休みであったり、会社なども夏休みモードであったのが、本格的に稼働し、秋は一年中でも活動が活発な時期であり、そういった環境の変化にもついていけないことも原因の一つと考えられるでしょう。

(症状)

夏バテは食欲低下を中心とした胃腸障害やだるさ、疲労感が中心となりますが、秋バテも同様な症状があります。それに加えて、自律神経の乱れによる、めまいやのぼせ、不眠、気力低下など多彩な症状がでます。

(診断)

他のはっきりした疾患による症状でないかどうかの鑑別診断が大切になります。安易に「夏バテ」「秋バテ」で片付けてしまうと、ガンや糖尿病など重大な病気が隠れていることを見落とすことがありますので、じっくりと経過を見てくれる医師と相談しながら様子を見ることが大切です。

(治療)

症状が進まないうちに、十分な休養と栄養補給を中心に養生をすることが大切です。放置していると胃腸障害の悪化や肺炎など本格的な病気に発展してしまうこともあります。

(生活上の注意)

基本的なな健康管理として、快食快眠快便を保つように心がけ、暴飲暴食、夜更かし運動不足に特に留意することが大切です。いつもとは違った症状が長く続く場合は早めにかかりつけ医に相談しましょう。

    

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