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魂を売らないということ⑦ 当たり前の原点に戻って考える
2005.5~2006.3 魂を売らないということ⑦ |
ばんぶう 2005.11 日本医療企画 |
《助けてくださいと連呼する政治家へっぴり腰の医師》
選挙戦のなかで気づいた候補者たちの異様な光景
今回の総選挙は歴史に残りそうな選挙であった。小泉首相が郵政民営化の成否を賭けて行った解散に基づく選挙であり、自民党が圧勝をおさめた。大方の予想通りであったが、自民造反議員、刺客と呼ばれた候補、政権を狙う民主党の三つ巴という、 対岸の火事の立場からはおもしろい選挙となった。
壮絶な選挙戦のさなか、テレビに映る候補者たちは、いつものごとく「お願いします」「ありがとうございます」の連呼である。そのなかでも印象的な言葉は「私を助けてください」であった。どう考えても異様な光景のはずなのに「がんばれー」と素直に声援する民衆。あまりにも変だ。そしてそれに気が付かないのはもっと変だ。
元来、政治家は国民を助けるために身体を張って働いてくれるから、国民は政治家を尊敬し感謝するのが当たり前ではなかったか。そんな建前をいまさら言うのは子どもじみている、と思う読者の方も多いであろう。しかし、夢の少なくなった今の日本を何とかするためには、当たり前の原点に戻って考えることが必須ではないだろうか?
先日、高名な医師であり有名な病院の元院長でもあるH氏と宴席でお話しする機会を得た。明快に日本の医療システムの不備について自身の見解を述べられ、とても勉強になった。そんななかでも、マスコミの責任が大きいことに言及され、医師や病院を
訴えるケースが増加の一途であることを嘆かれた。「こんな風潮だから、“へっぴり腰の医師”が増えて、患者さんのためと思っても思い切ったことや新しいことへのチャレンジを避ける傾向になった。医学生も卒業後、救急部門や外科部門を選ぶ人が極端に少なくなってきた。このままでは医療インフラが崩壊する」
私は“大丈夫だと言えなくなった医師”という言葉を提唱し、医師と患者の信頼関係の没落を嘆いている。大丈夫だと言えないかわりに、「あなたがこの手術で死亡する確率は一%です。それでも受けるかどうかはあなたが決めて下さい」と患者に伝えることになる。統計学的、インフォームドコンセント的には後者が正しいはずだ。「私に任せれば絶対大丈夫だから」と安心させてあげることは時に訴訟の標的ともなる。
「最近、初診で来られる患者さんが怖くて。挑戦的な感じだし、録音機を忍ばせている人もあると仲間から聞いたし」と本当に怖そうに話された医師の鑑のような大学の先輩の言葉がリフレインする。