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正しい生き方から美しい生き方へ⑦ 良い「みんな」、悪い「みんな」
1998.4~1999.4 正しい生き方から美しい生き方へ⑦ |
ばんぶう 1998.12 日本医療企画 |
「みんな、君のことを生意気だと言っているよ」「僕はいいけど、みんながねぇ…。」このような言い方をよく聞かないだろうか。また、よく言っていないだろうか。
かくいう私も、なるべく気をつけているのだが、「そんなことをするのはみんなに迷惑だよ」などと言ってしまっている。「僕に迷惑だよ」と、ズバッと言えばいいのに。人間関係の崩れる原則に、「トライアングルの法則」というのがある。
AさんとBさんがもめると、Cさんが、間に入り助けようとするが、今度はCさんとBさんの争いに形が変わっていくという単純な法則である。そんなとき「みんな君のことを…と言っているよ」的な言い方をよくする。
私には楽しいテニス仲間が数十人いて、年に2,3回「Terra Cup」という社交テニス大会を開催している。その仲間のひとりが後輩を「是非仲間に」と連れてきた。彼の座右の言葉に「鶴でも恩返し」「先輩は死ぬまで先輩」などがあり、比較的彼は古風な考え方をしている。ある時、彼が連れてきた後輩に「君は若いのだから、ボール運びくらい率先しなさいよ」と注意した。数週間後、別の友人が彼に「あなたが、この会は、年功序列だと言っているが、みんなそれに反対している。」彼は晴天の霹靂で驚いたのだが、大切にしてきた後輩に裏切られた想いと、例の「みんな」という言葉に痛めつけられたのである。結局、「そのみんな」は、若干3、4名であった。この話の中には「似て非なる言葉のマジック」も含まれている。
「目上の方を敬う」ことと「年功序列」とは雲泥の差である。さて、時には「良いみんな」もある。「みんな君を友人に持てて喜んでいるよ」なんと勇気づけられる言葉か。くだんの後輩の件で、心を痛めていた彼に、たまたま偶然に高校時代の友人から手紙でこの言葉が届いたとにこやかに話すのを聞いて安心した。 私には楽しいテニス仲間が数十人いて、年に2,3回「Terra Cup」という社交テニス大会を開催している。その仲間のひとりが後輩を「是非仲間に」と連れてきた。彼の座右の言葉に「鶴でも恩返し」「先輩は死ぬまで先輩」などがあり、比較的彼は古風な考え方をしている。ある時、彼が連れてきた後輩に「君は若いのだから、ボール運びくらい率先しなさいよ」と注意した。数週間後、別の友人が彼に「あなたが、この会は、年功序列だと言っているが、みんなそれに反対している。」彼は晴天の霹靂で驚いたのだが、大切にしてきた後輩に裏切られた想いと、例の「みんな」という言葉に痛めつけられたのである。結局、「そのみんな」は、若干3、4名であった。この話の中には「似て非なる言葉のマジック」も含まれている。
「目上の方を敬う」ことと「年功序列」とは雲泥の差である。さて、時には「良いみんな」もある。「みんな君を友人に持てて喜んでいるよ」なんと勇気づけられる言葉か。くだんの後輩の件で、心を痛めていた彼に、たまたま偶然に高校時代の友人から手紙でこの言葉が届いたとにこやかに話すのを聞いて安心した。
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