脳卒中
老人医療シリーズ 脳卒中 |
介護ジャーナル 1993.8 イメージラボラトリー「生活介護図書館」発行 |
皆さん方も医学の物知りになってきたのではないでしょうか。
今月は、特に介護の対象となりやすい病気の代表である、脳卒中について勉強しましょう。
1 脳卒中の代表的な病気を3コ選んで下さい。
- 脳腫瘍
- 脳梗塞
- 脳出血
- てんかん
- くも膜下出血
2 次の文章で正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- 脳内の動脈が閉塞する病気を脳梗塞という。
- 脳内の血管から出血すると脳出血という。
- 高血圧と脳出血の因果関係はうすい。
- 一過性脳虚血発作は、単なるめまいのようなものだから安心してよい。
- 50才以下のクモ膜下出血は稀である。
3 脳卒中予防に関して正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- 高血庄のコントロール
- 寒さに耐えられるように冬場もなるべく薄着で外出する
- 糖尿病のコントロール
- 一過性脳虚血発作は警告発作と考えて精密検査を受ける 5
- 普段の運動は避けて、なるべく安静にする
4 脳卒中の症状について正しいものには○、誤りなら×をつけて下さい。
- くも膜下出血の主な症状は片側のマヒである
- 脳梗塞は頭痛がほとんどの場合にみられる
- 一過性脳虚血発作は意識障害や片麻痺などが数分間続く
- 片麻痺になると治らない
- 右利きの人の右片麻痺の場合、言語障害が起きやすい
解答&解説
1.答 2. 3. 5
脳卒中とは脳血管の異常により、突然さまざまな症状がでる脳血管障害を総称した一般用語です。若い人のくも膜下出血による急死も多く見られます。
2.答 1.○ 2.○ 3.× 4.×
脳梗塞や脳出血は比較的高齢の人に多く、くも膜下出血は若い人に多い傾向があります。
脳梗塞、脳出血は最近の医学の進歩により発作後すぐに死亡することは少なくなりましたが、くも膜下出血は心筋梗塞と同様に発作直後の急性期に死亡することが多いこわい病気です。
激しい頭痛、手足の麻痺、原因不明の嘔吐や意識障害がみられたら、すぐに専門医のいる病院に般送してください。最初の数時間の治療が運命を大きく左右します。
3.答 1.○ 2.× 3.○ 4.○ 5.×
脳卒中は特に高血圧との因果関係が深いとされています。
コレステロールとの関係は心筋梗塞ほど強くはないようです。
冬の寒い日に、暖房の効いたところから急に寒い場所に出たときに発作がよくみられます。
十分な厚着をしたほうが良いでしょう。
一過性脳虚血発作は本格的な脳梗塞の前兆です。
それゆえ警告発作とも言われています。
早期に検査し治療を開始したほうが良いでしょう。
4.答 1.× 2.× 3.○ 4.× 5.○
くも膜下出血の症状は激しい頭痛発作です。
脳梗塞や脳出血の場合は、片麻痺がみられることが多いのです。
一度麻痺の症状が出ても、早期のリハビリを行なえば回復することも多いようです。右利きの人は脳の優位半球は左にあり、左脳に障害があると右片麻痺と言語障害を起こします。