質実剛健⑩  オセロ型心理敵対反応

 

1999.5~2000.4

質実剛健⑩  オセロ型心理敵対反応

ばんぶう

2000.2

日本医療企画


仲がよかったのに、何かをきっかけにがたがたと崩れてしまうことが多い。この人間関係を理解するにはいくつかのポイントがある。そのなかでも私が「オセロ型心理反応」と命名した恐るべき心理反応がある。
今まで、自分の親しい仲間と思って気を許して悩みなどを話していた時は、親身そうに同情したり共感してくれていた人が、何かのきっかけで一旦敵対したとたんに、今までの共感とは裏腹に「あいつはこんなことを言っていた」と正反対の反応をするようになる。この反応に遭遇した人はひどく傷つき、「もう二度と人を信用したくない」、と一時的に思ってしまう。
これを繰り返すと、人間不信が固定観念となる。まるで、オセロゲームでひとつの駒を白から黒に変えただけで、ばたばたと周辺の白い駒が、一気に黒に変化するのと似ている現象なので「オセロ型反応」と名付けたのである。昔流に言えば「可愛さ余って憎さ百倍」ということであろうが、結構人間関係では悪さをしている心理反応である。
誰にでもこの傾向は多少ともあるのであろうが、特にこのオセロ反応を何度も強く起こす人がいる。一般に作り笑いが得意な人に多く、一見優しそうで無害に見えるから性質が悪い。貴方の友人関係を破壊する怖い人であるので注意が肝要である。貴方の周りに少しでもそのような気がする人がいたら、距離を置いて付合うことである。かく言う筆者も時々大ヤケドをしているのであるが。

    

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