免疫ドック

 日経ヘルス

医療判断医 Dr.寺下謙三の誌上診察室

免疫ドック

日経ヘルス2002年10月号

2002.10

日経BP社発行


相談

最近「免疫ドック」というものがあるそうですが、どんなことがわかるのでしょうか。

最近、感染症によくかかるようになり、免疫力が低下していると感じています。そういう場合、やはりガンなどにもかかりやすいのですか。(41歳・女性)

Dr.

免疫ドックでは、血液中の免疫に関係する細胞がどれくらいあるかを調べます。血液を採取するだけの簡単な検査ですが、調べる内容は医療機関でかなり差があるようです。

というのも、これさえ調べれば免疫の強さがきちんとわかると特定されている検査は、まだないからです。
例えば、白血球の中のリンパ球や、ナチュラルキラー細胞などが免疫と深く関係していることはわかっていますが、それらの数や活性値が多いからといって、すべての病気にかかりにくいのかどうかは、まだわからないのです。免疫細胞の中には、ガンの予防にだけ関係するものもあるのです。
また、ナチュラルキラー細胞などは、笑っただけでも増えるといわれています。

だから、どんな状況で調べたかによっても、検査値は簡単に変化してしまいやすいのです。
ただ、同じ検査を定期的に受けることで、過去の自分の数値と比較し、今の状態を知るには意味がある検査といえるでしょう。

免疫力は、不摂生な生活によっても低下します。中でも、リンパ球は夜、活性化されるといわれており、睡眠不足になると免疫力は低下します。

もし、検査を受けて免疫力が低下していると判定された場合は、まず、『快食、快眠、快便』を心がけるのが王道でしょう。

    

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