動脈硬化という名の甘いワナ

Dr.寺下のズームクリニック

動脈硬化という名の甘いワナ

サトウ組とシボウ組が仕掛けてる

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1995.6

朝日生命保険相互会社発行


飽食の現在、「サトウ組」と「シボウ組」とが、我々にワナを仕掛けています。

このワナは即死能力を持たないだけ巧妙で、ジワジワと「*動脈硬化」というやっかいな作戦を進行させているようです。

今は気が付かなくても、いずれ脳出血や脳梗塞などの脳卒中や、心臓病として表に現われてくるのです。

ですから私たちは足りない栄養分を自分で発見し、また摂り過ぎの栄養分を抑えることで、このワナから逃げ出さねばなりません。

医食同源という言葉があります。

医者としての私の解釈は、まず「ほとんどの人が認める普遍的なルールを基本として、あとは個別に自分のライフスタイルや体質に合わせた」プランを立て、食べることで健康なからだを取リ戻すことです。

それも「○○は止めよう」というのよりも「○○を積極的に食べよう」などという前向きなものがいいと思います。

自分なりの「食生活5つの原則」などを立て、三日坊主に終わらないように無理のない計画を立案することが大切です。
 でも、食品交換表などを見ながらの献立づくりは大変です。

ですから私は、まず毎日30種類の食品を摂ることを推奨しています。

これはたとえばサラダを-つの食品とするのではなく、サラダの中のレタス、人参、ブロッコリーなどを-つずつ数え上げたものです。そして自分で1週間の食事のメモをとってみるのです。自分で確認することによって食品に対する認識やバランス感覚が芽生えるはずです。

どんな食品がどのような栄養をもっているかを、表にしておきました。

栄養素と食品選択の目安
栄養素 働き 多く含む食品
食物繊維 コレルテロールや糖分の吸収を抑え、糖尿病や高コレステロール血症などの成人病を防ぐ。便秘にも効果的で、大腸ガンの予防にもなる。 干ししいたけ、切り干し大根、あおのり、ひじき、わかめ、昆布、大豆、小豆、納豆、いんげん豆、アーモンド、ごま、かんぴょう、こんにゃく、ごぼう、かぼちゃ、いも類
ベータ・カロチン ビタミンAの元になるもので、抗ガン効果が注目されている。摂り過ぎの心配がない。 緑黄色野菜(にんじん、ほうれんそう、かぼちゃなど)
カルシウム 骨と歯をつくる・血液の凝固や消化などに必要な酵素の補助・ホルモン分泌の調整 イワシの丸干し、桜エビ、シラス干し、ワカサギ、ひじき、のり、ごま、豆腐、牛乳、チーズ、こまつ菜、かぶ、大根の葉
ビタミンA 発育促進、細菌に関する抵抗力増進、視力調整 バター、チーズ、レバー、にんじん、かぼちゃ、卵黄、魚の卵、ウナギ、肝油
ビタミンB1 消化液の分泌促進・食欲増進・糖質をエネルギー源に変える 米や麦の胚芽、卵黄、豚肉、レバー、牛乳、豆類
ビタミンB2 脂肪や蛋白質の燃焼・発育促進・体内の毒物の解毒 レバー、牛乳、ピーナッツ、卵
ビタミンC 細胞の回復力を高める・病原菌に対する抵抗力増進 みかん、いちご、トマト、さつまいも、じゃがいも、緑黄色野菜
ビタミンD カルシウムの吸収力を高める・カルシウムの骨への定着を促す(日光に当たると生成される) レバー、バター、卵黄、牛乳、肝油、小魚

*動脈硬化

動脈の内壁に脂肪やカルシウムなどか沈着し、狭くなること。この脂肪の代表がコレステロールや中性脂肪で、動物性脂肪や糖質からつくられる。

    

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