大腸、直腸ガンの早期発見方法

Dr.寺下のズームクリニック

大腸、直腸ガンの早期発見方法

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1995.9

朝日生命保険相互会社発行


『大腸ガン、直腸ガン』。

私達日本人の食生活が欧米化して以来、この種のガンが急増しています。

「胃腸が気になる人の本」(教育書籍)の著者である、和歌山労災病院第3外科部長の寺下史朗医師(実は私の弟なのですが)に、消化器系ガンに対する経口と対策を聞いてみます。

Dr.寺下
ガンによる死亡数は心臓病や脳卒中を超えて、第1位になったけど、専門医としての意見は?
外科部長
早期発見さえできれば、治る確率が高いのは大腸ガンです。
 速発見には、便潜血検査といって、便に血液が混ざっていないかを見る検査(職場健診でたいていやるものです)が一般的です。ここで異常が発見されたら、バリウム検査に移るケースが多いですね。
最近注目されているのが、大腸内視鏡検査といって、直腸から盲腸までの粘膜の変化を直接見る検査です。肛門から内視鏡を挿入し、空気を送って腸を膨らませながら盲腸まで進めて行き、その時ポリープや腫瘍があれば切除したり、一部を採取して病理検査に回したりします。少し痛い検査ですが、早期発見、早期治療が可能です。
Dr.寺下
初期症状としてはどんなものがあるの?
外科部長
「下痢、便秘を繰り返す」「腹痛がよくある」「下血がある」「腹部に膨満感がある」等の症状があったら、検査を受けた方がいいですね。出血を痔と間違えて、検査をせずに手遅れになった人もいます。それと、ガンによる峡窄(腸が狭くなること)が強くなると、食欲不振や嘔吐、腹部の膨満など、腸閉塞の症状が出ますから、すぐに専門医の門を叩いて下さい。
Dr.寺下
どうも有難う。さて、大腸や直腸のガンはたの臓器のガンに比べて比較的早期発見による治癒率が高いと言われています。『胃腸が気になったらすぐ病院へ』これが何よりの発見策です。皆さん、ご自分の身体を大切にして下さい。
    

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