過敏性腸症候群

カルテ16

内科・心療内科

過敏性腸症候群

NKH「健康ライフ講座」

2004.10

日本機械保線株式会社 社内報


過敏性腸症候群は、レントゲンや内視鏡などの検査で腸の炎症や腫瘍など、異常が無いにもかかわらず下痢や便秘といった便通異常を繰り返す、腸が正常に機能しない疾患です。現在のストレス社会で増加が注目されています。

原因

身体的な疲労や精神的ストレスが引き金となり、腸の運動機能や分泌機能が高ぶって下痢や便秘が起こると考えられます。

症状

下痢、便秘、腹痛、膨満感などで、主となる症状によって下痢型、便秘型、便秘と下痢を繰り返す下痢便秘交替型に分類されます。症状は、精神的要素が強く排便によって軽快する強い腹痛が特徴で、朝起きてすぐや朝食後、出かける前、電車の中などで頻回に便意があります。1回の便の量は少なく、残便感や不快感が残ることもあります。女性にやや多く、男性には下痢型、女性には便秘型が多い傾向があります。また、不安、過敏、抑うつなどの精神症状が出ることもあります。

診断

癌や潰瘍性大腸炎といった他の病気が腸に無いこと、下痢や便秘、排便により軽快する腹痛の症状があること、症状が3ヶ月以上繰り返し起こるといったことから診断されます。

治療と対策

もっとも重要なのは、生活環境やライフスタイルの改善です。過労や精神的ストレスを避けて、規則的な食事や生活リズムを整え、じっくりとセルフコントロールしていくことが必要です。

症状のかいぜんには時間がかかりますが、症状の完全な消失を求めるよりも症状があってもやっていけるという受け入れが大切です。下痢、便秘、腹痛などの症状に対しては、対症療法として消化管の運動を調整する薬や漢方が使われます。うつ病やパニック障害を合併していることもあり、抗不安薬なども併用されます。自律訓練法の指導により不安、緊張を軽減させたりカウンセリングにより原因となっている精神的ストレスの解消を試みることも有効で、1人で抱え込まずに相談相手をもつことが重要です。

    

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