白血病

 

カルテ29

内科、血液科

白血病

NKH「健康ライフ講座」№77

 2008/1/1 5

日本機械保線株式会社 社内報


 白血病は「血液のガン」として知られていますが、正確には骨の中心部にある骨髄中に存在する造血幹細胞と呼ばれる細胞がガン化する病気です。造血幹細胞とは血液中に存在するすべての細胞の元になるものです。また、ガン化とは細胞分裂が制御できず、コントロールを失いながら増殖してしまう細胞の状態と考えれば理解が容易です。

白血病では、造血幹細胞から異常な白血球が止めどなく作られます。そのため、正常な白血球や赤血球や血小板などの産生に障害がでます。白血病はリンパ性と骨髄性に分かれ、それぞれが急性と慢性に分類されます。これら4種類の白血病は別の病気と考えてもよいほど性格が異なります。
このなかで成人に発症することが多い慢性骨髄性白血病 (CMLと略されます) について説明します。
症状:慢性期は白血球が増加するだけで症状は乏しく、血液検査により発見されることが多い病気の一つです。軽度の貧血がみられたり、脾臓が腫れることもあります。この慢性期 (初期といってもよい) に適切な治療が行われないと、数年以内に急性転化という状態を引き起こし、白血球数が急増し、貧血が進み発熱、体重減少など急性白血病と同じ状態に突入します。こうなると本来の急性白血病より治療が困難になります。

診断:血液中の白血球の数や性質を調べます。1μlにつき、正常では数千個くらいの白血球が数万から時には数十万に増加します。確定診断のためには骨髄を採って調べます。 CML の原因であるフィラデルフィア染色体やbcr-abl遺伝子が検出されればほぼ診断は確定されます。
治療:従来は根治的治療の可能性がある治療法としては骨髄移植のみで、インターフェロンやその他の化学療法薬 (抗がん剤)が治療の主体でした。骨髄移植以外では急性転化を阻止できる治療法が存在しませんでしたが、この数年、イマチ二ブという分子標的治療薬が画期的な効果を上げることが分かってきました。原因遺伝子が消滅することも多く、今後世界各国から寄せられる治療実績の報告に期待が集まっています。
その他:このように初期の段階で発見されるCMLの治療に期待が持たれるようになったということは、初期の段階で発見する意義が大きいということになります。一般の血液検査で簡単に白血球数はチェックできるので、やはり定期的な健診が有効な病気のーつと考えることができます。
    

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