不眠症

     

 

カルテ39

心療内科、精神科

不眠症

NKH「健康ライフ講座」№88

 2011/1/14

日本機械保線株式会社 社内報


国民の2割以上が悩んでいると推定される「不眠症」 。原因となる疾患が潜んでいる場合もあり、軽視は禁物です。


○解 説○

 睡眠に対する悩みは個人差が多く、したがって「不眠症」という定義も難しいのです。しかし、何らかの睡眠障害があると思われる頻度はかなり高く、少なく見積もっても人口の2割以上だといわれています。また、この不眠は加齢とともに多くなり、高齢化現象を抱える日本にとっても真剣に考えていかなければならない病態ともいえるでしょう。

○症 状○

不眠症のタイプは「入眠障害」「熟眠障害」「中途覚醒」「早朝覚醒」に分けられます。「中途覚醒」と「早朝覚醒」は一緒にして「睡眠維持障害」と分類されることもあります。それぞれはその名前から容易に理解されると思います。「入眠障害」は、いわゆる寝つきが悪いと称されるもので、一番多いタイプです。「熟眠障害」は、ある程度の時間は眠れているが「眠った気がしない」と感じるものです。ストレスによる不眠に多いタイプです。「中途覚醒」「早朝覚醒」は、朝早く眼が覚めてしまい、その後寝つけないというもので、比較的高齢者に多くみられます。熟眠感があって、日中の生活に支障がなければ問題ないことも多いものです。

○診 断○

症状から診断は推定されることが多いですが、他の原因がないか探索する必要があります。他の原因としては、精神障害やアルコールや薬物依存、睡眠時無呼吸症候群などに代表される身体疾患などがあります。これらの原因があっても、「不眠症」の診断はつくことにはなりますが、治療方針が違ってきます。

○治 療○

まず、原因となる基礎疾患があれば、その治療を並行または優先させることが大切です。自律訓練法などの心理療法を併用すると効果的ですが、特に不眠で病院に来るほど悩んでいる場合は、即効性のある薬物療法を行うのが一般的です。睡眠薬は開発が進み安全性が高まっていますが、副作用や依存性の問題もあるので、主治医と相談しながら、こまめな匙加減をすることが肝要です。

○生活、予防上の注意○

何よりも規則正しい生活が重要です。我々人間は、本来の日内リズムが存在し、覚醒と睡眠のリズムをコントロールしています。脳の松果体に存在するメラトニンがその重要な役割を担っているということは有名ですね。また、最近では細胞レベルにおいても、時間をコントロールしたり時間に制御されたりするメカニズム(時計遺伝子)があるらしいことが分かり注目されています。それらを正常に機能させるためにも、規則正しい生活は必須ということになります。職業上、深夜勤務が頻繁にあったり、海外出張等で時差をさけられない方は、昼間、日光による明かりを十分に浴び、十分な運動を生活の中に取り入れ、体内時間のズレをまめにリセットするよう心掛けることが大切です。

 

    

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