糖尿病

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NKH「健康ライフ講座」日本機械保線株式会社社内報

カルテ42<内科>糖尿病

2011/10/7

 


糖尿病はかつての肺結核のように今や日本の国民病といわれるようになりました。この欄で本病を取り上げたのは8年前になり、その診断基準や治療法に目覚ましい進歩がみられますので再度勉強したいと思います。

とはいっても基本的な考え方は変わっていません。糖尿病は血糖値(血液中のブドウ糖濃度)が高い状態が持続する病気です。これは膵臓から分泌されるインスリンというホルモンの働きが弱くなることが原因です。そのメカニズムにはいくつかのタイプがあります。インスリンは食物中から吸収されたエネルギーを体内の細胞にとりこみ、血糖が一定値以上に上昇しないように管理する役割を持っています。糖尿病になると細胞内には必要なエネルギーが取り込まれず、血液中のブドウ糖濃度は高い状態が持続し、その高血糖が血管や神経を障害するため様々な合併症を起こすことになります。糖尿病は遺伝的な要因に加え、暴飲暴食、ストレスなどの生活環境が引き金となって発症する生活習慣病の代表です。また、1型糖尿病と呼ばれる遺伝がメインの原因となる若年性の糖尿病もありますが、生活習慣病の一つである一般的な糖尿病はⅡ型となります。

(症状)

初期には自覚症状がないのが特徴です。進行すると、のどの渇き、多飲、多尿、だるさ、体重減少、目のかすみ、手足先のしびれといった症状が出現します。したがって定期的な検診(特に血液検査)が重要となります。

(診断)

診断基準も、近年変わりつつありますが、基本的には血液検査で体内の血糖値の動向をみることにより診断されます。1回の血液検査で、大まかな血糖の動向を知ることができるHbA1cと呼ばれる検査が診断のみならず経過を診るのにも大切な指標とされています。合併症の進行程度を知る検査としては、腎臓病を調べる尿中蛋白定量検査、網膜を調べる眼底検査、神経障害を調べる自律神経機能検査などがあります。

(治療)

生活習慣改善とインスリンなどの薬物療法が基本となります。薬物療法は、近年、大きく進歩してきました。インスリン療法は24時間平均して血中濃度を維持できる持効型インスリンの開発によって改善され、また経口薬として小腸から分泌されるインクレチンという血糖調節ホルモンに着目した新しく有望な経口治療薬が日本でも使われるようになり、治療法の選択肢が増えてきました。主治医とよく相談してきちんと血糖のコントロールをすると糖尿病もそれほど恐れることはありません。

(生活、予防上の注意)

糖尿病の治療は他の生活習慣病と同じく、食事療法、運動療法と生活習慣の改善がまず基本となります。糖尿病は現在の医学では残念ながら完治することはなく、進行を止める事が目標となりますので、無理な食事制限と挫折を繰り返すよりも継続性を重視した生活改善が有効です。定期的な診察、検査を受け、未然にコントロールすることが特に重要と言えるでしょう。

    

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