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グローバルより顔なじみ⑥ 顔馴染み王国 イタリア!
2004.5~2005.4 グローバルより顔なじみ⑥ |
ばんぶう 2004.10 日本医療企画 |
夏休みを利用して家族4人でイタリア旅行に行った。初心者向けパッケージツアーで、わずか6泊なのにミラノ、ヴェネチア、フィレンツェ、ローマ、カプリと足を伸ばしたのだから、毎日バスで移動の大忙しツアーである。私は言い訳がましく、「今回のツアーは目次旅行と命名して、次回からの旅行の準備である」と言い張っている。このツアーのよくできたところは、しっかりした添乗員がいて、さらに観光地の先々で専門のガイドが手配されているということだ。寺院や美術館ごとに専門のガイドと的確に待ち合わせをしているから驚きである。
添乗員さんとガイドさんとは顔馴染みであり、ガイドさんは現地の係員たちと顔馴染みである。私たちと添乗員さんとはすでに顔馴染み状態であるから、全体が打ち解けた雰囲気になる。また、イタリアで感じたのは、お店やレストランなど小型店が多く、スーパーや百貨店、ロイヤルホスト的なところが少ないことだ。お店には店主らしき人が厳然といて、お客さんとは既に顔馴染みかもしくはこれから顔馴染みになるのかどちらかなのだ。
さすが、スローライフを提唱する国である。グローバルショップの権化であるコンビニと、グローバルツールの代表である携帯電話遊びに現うつつを抜かす若者が目につかず、気持ちが和んだこともよかった。私の大好きな映画である「ニューシネマパラダイス」や「ゴッドファーザー」の人間臭さが今でも残っている国であり、古代や中世の建物が普段着のまま歴史を語っている。人間関係の歴史を大切にする気持ちが私の主張する「顔馴染み」であり、合い通じるものがここにあるのだなあと思う。
歴史を大切にしていた日本が、歴史を忘れようと、自分たちよりはるかに歴史の浅い国から多くの文化を取入れ過ぎたうえ、それを無制限に膨張させているのが、今の日本ではなかろうか。
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